『石はケイ酸である』という言葉は大筋で正しい。

石の大きなものは地球の殻であるプレート、小さなものは空気中に舞う埃まで石という石には
60〜70%のケイ酸が含まれますし、プレートの下にあるマグマにも大量のケイ酸が存在し、
海の水の数百倍にもなり地球最大の物質といわれています。

右下の図はプレートの構成元素を表したものですが、約47%の酸素と28%のケイ素が結合してケイ酸になり、そこへその他の元素がくっついて石になります。

アルミニウムが多い石はボーキサイト、鉄が多いのは鉄鉱石、リンが多いのはリン鉱石と呼ばれます。

目当ての元素を取り出すと、圧倒的に多いケイ酸分の他カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが副産物の鉱滓として残りますが、これらが「ケイカル」「ケイマグ」「ケイカリ」と称されて、田畑に肥料として利用されてきました。

「エコロジカルライフ 土のはたらき」 岩田進午著より
 
   
一方土の母材は砂や泥やシルト状の石で、これにケイ酸とアルミニウムが二次結合した粘土鉱物が混ざります。土には平均50%のケイ酸が含まれるとされ、ここから不足することのない元素と言われてきました。(ちなみにケイ酸は量障害、濃度障害がない唯一の物質と言われています)

ところが各地の土壌分析の結果、40年前に較べて植物が吸収可能なケイ酸が半分以下に減少していることが明らかになり、チッソの10倍ケイ酸を必要とするイネなどは成長不良の要因とされ、双子葉植物でも開花、結実不調を引き起こしていると見られています。
田畑へのケイ酸供給は

1.土壌から滲み出すもの
2.植物体の循環によるもの
3.河川から流れ込むもの

に大別されますが、これらのすべてが減少傾向で特にダムや堰の増加による3の減少は著しくなっています。我が国のケイ酸は火山性によるところが多く、雨で流亡しやすいので田圃による稲作を主体に農業が営まれてきたことは先人の英知ですが、ここへ来て田畑へケイ酸の人的投与は避けられなくなっています。

ケイ酸はもっとも水に溶けにくい物質のひとつで、植物に吸われる状態になるのに年月を要するので、田圃に湛水してケイ酸の水溶を促すのも先人の知恵でした。

70%ほどのケイ酸を含むゼオライト投与を指導されているJAが増えていますが、はっきり効果を感じるのに数年かかることからも解ります。もし、「すぐに出たよ」という人がいたら、それはカルシウム、マグネシウム、カリウムの効果を勘違いしているとみて間違いありません。

水に溶けにくいということは、植物に吸われにくいと同じです。NPKはじめ養分水に溶けて、根から吸収される大きさになって、植物体内へと入って役立つことができます。(役立つためにはさらに酵素で分子まで分解される必要があります)

植物に養分を投与してすぐに動いた場合は、その養分は水溶性だったと言えます。カルシウム、マグネシウム、カリウムは水溶性だからすぐに効くわけですが、残念ながらケイ酸は通常水溶性ではありません。ケイ酸は効きにくいと言われる所以です。

また、ケイ酸は植物を堅くするとか、ケイ酸は植物の鎧とか言われています。これはケイ酸に特徴されることで、カルシウムの吸収を促進させてカルシウムとともに細胞壁を強固にし、病原菌の進入を阻む働きがあります。

さらにケイ酸には重合してゲル化するという性質もあり、細胞レベルで植物体の強化や病原菌の繁殖を抑えることが知られています。このような植物の病原菌への抵抗性を高める作用を全身獲得抵抗性(SAR)誘導と呼び、体内に吸収されたケイ酸がカルシウム、マンガン、ホウ素などをコントロールして誘導を顕著にすることが、減肥減農薬を実現すると期待されています。

ケイ酸はいくら投与することではなく、いかに吸収させるかが大切です。
悩ましいのは、ケイ酸資材は大半が水溶性のカルシウム、マグネシウム、カリウムなどの副資材を伴っており、ケイ酸投与をするほどそれらの過剰害が避けられないので、難しい「ケイサン」になるのです。
 

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